奥山教授の部屋

プロフィール

奥山 雅之           
Masayuki Okuyama

1966年 東京都生まれ
1989年 明治大学商学部商学科卒業
2015年 埼玉大学経済科学研究科博士課程修了、博士(経済学)
東京国税局、東京都商工指導所、東京都庁(産業労働局、財務局)、多摩大学経営情報学部を経て
現在 明治大学政治経済学部教授

東京都庁では東京都商工指導所にて中小企業の診断・指導、調査研究に従事。その後、産業労働局商工施策担当副参事、企画計理課長などを歴任。東京都の中小企業施策の企画・立案に長く携わるとともに、国、各自治体、商工団体等の施策検討委員などを務める。1993年より中小企業診断士登録、1995年税理士試験合格

研究テーマ

地域産業集積の発展・維持・衰退,地域産業のグローバル化に関する実証研究

専門担当科目

地域産業論
地域の持続的発展の担い手である地域産業を実証的に捉え,個性的な製品・サービスの創造や地域課題の解決を図ろうとする地域産業のあり方や,地域産業と地域づくりの関係について考察する。

研究内容

奥山雅之ゼミの研究分野は「地域産業」です。地域の課題を的確に把握し、また地域の良さを引き出すにはどうすればよいか、文献、統計だけでなく現地調査(フィールドワーク)によって研究します。
ゼミでは、地域の方々がワクワクするような何かを生み出す「プロデューサー」となるべく、構想力と行動力を学んでいきます。具体的には、新たな観光商品の開発、集客向上策、学生視点での地域産業の振興策、シティセールスの新たな方法などを提案します。産業・中小企業の現場とつながり、自分の知識を地域活性化に活かすことができます。

◆地域産業のグローバル化に関する実証研究

グローカルビジネス研究
地域資源を活用し,グローバル市場へと展開とする「グローカルビジネス」の有効性と課題を明らかにする。
「グローカルビジネス」においては、異質性と同質性を相互に調整し,差別化を維持しながら市場の受容性をも高めることが重要となる。

▼共同研究パートナー
海外進出・海外ビジネス支援プラットフォーム | Digima〜出島〜

越境のれん分け研究
「越境のれん分け」を対象として、その有効性と課題、および組織マネジメントの方向性を明らかにする。

◆地域産業集積の発展・維持・衰退に関する実証研究

繊維・アパレル産業研究
成熟産業といわれる日本の繊維・アパレル産業において、全国の産地、地域の中小企業の活路はどこにあるのか。川上から川下まで俯瞰した繊維・アパレル産業の現代的問題に迫るとともに、産地横断的な視角でその本質的変化を明らかにする。

時計産業研究
クォーツ革命で世界市場を席巻した日本の時計産業は、スイス機械式時計の復活の裏で成熟化したとの声がある。スイスと日本の統合形態の相違による競争上の差異と地域産業の構造変化への影響,垂直的かつ水平的に統合された産業における地域の役割,時計産業の多様化とイノベーションの関係性などを明らかにする。

◆地域産業の次世代承継に関する研究

個別の組織だけでなく、地域社会の有形資産、地域雇用、権能、理念、自然環境、文化、規範、ブランド、紐帯などを次の世代に引き継ぐことを「社会的事業承継」と定義し、社会的スコープから事業承継問題を捉え直し、有形・無形の共有財産だけでなく、無形の相互外部性や埋め込まれている社会関係や承継後の地域イノベーションにも着目しながら地域産業の「世代承継性」を考察し、その課題解決に向けた処方箋を示す。

▼共同研究パートナー
一般社団法人 次世代経営協会

◆地域中小製造業のサービス事業戦略に関する研究

ソリューション、メンテナンスサービス、レンタル…大手製造業はもはや製品ではなく、サービスで稼ぎ、競争力強化を図っている。こうしたサービス経済時代に、中小製造業はいかに競争力を高めるべきか。本書では、企業事例を豊富に用いて、「戦略化」と「統合化」という製造業のためのサービス事業の開発・進化フレームワークに基づき、経営資源が限られる中小製造業がサービス・イノベーションを実現するための戦略を提示する。

出版物

書籍

『繊維・アパレルの集団間・地域間競争と産地の競争力再生』
文眞堂(共編著) 2022年

『BASIS地域産業論:産業の立地と集積』
清明書院 2021年

『グローカルビジネスのすすめ』
紫洲書院(共著) 2021年

『繊維・アパレルの構造変化と地域産業』
文眞堂(共著) 2020年

『先進事例で学ぶ地域経済論×中小企業論』
ミネルヴァ書房(共著) 2020年

『地域中小製造業のサービス・イノベーション:「製品+サービス」のマネジメント』
ミネルヴァ書房 2020年

論文

<2023年>

・越境のれん分けに関する一考察 ―有効性、課題及び役割分担― 経営教育研究 26(1・2),95-105頁 (単著)
・日本の時計製造産地におけるサプライヤーの再編 政經論叢 91(3・4),205-238頁 (単著)

<2022年>

・日本繊維産地の構造変化と主体的行為―衣服製造産地を例に― 産業学会研究年報 37,1-19頁(単著)

<2021年>

・海外分工場の革新阻害要因と持続的成長-中小企業の縫製・加工工場を例に- 経営行動研究年報 (30),71-75頁 (単著)
・時計産業における企業戦略の再構築と構造変化に関する分析視角 政經論叢 89(5・6),1-52頁 (単著)

<2020年>

・織物産地の地域イノベーションシステムに関する考察――産地特性とイノベーションの阻害要因との関連性―― 地域経済学研究 (39・40),87-106頁 (単著)
・中小製造業のグローバル・サービス戦略─その理論的枠組と方向性─ 日本政策金融公庫論集 48,63-87頁 (単著) Link
・生産技術の変化が産業集積に与える影響に関する一考察―日本のニット産地を例に― 政經論叢 88(5・6),101-152頁 (単著)
・繊維・アパレル産業における輸入浸透の実態と縫織連携の課題 産業学会研究年報 35,91-109頁 (単著)

<2019年>

・ファッションアパレル産業における縫製工程の空間的分業と企業間分業の変容 経営行動研究年報 (28),63-67頁 (単著)
・衣服製造産地の構造変化に関する一考察―北埼玉・岐阜・倉敷における「分離」とその様態 政經論叢 87(3・4),41-89頁 (単著)

<2018年>

・中小企業によるグローカルビジネス・マネジメントに関する一考察-国際戦略行動分析の視点と理論的枠組- 経営教育研究 21(2),29-40頁 (単著)
・需要縮小期における和装産業の取引変容と集積-リスク増大と分業構造変化が集積に与える影響- 地域活性研究 (9),5-14頁 (単著)

<2017年>

・グローカルビジネスと地域振興―島根県隠岐郡海士町のナマコビジネスを例に― 経営情報研究(多摩大学研究紀要) (11),1-16頁 (単著)

<2016年>

・Cognitive Gaps between Instructor and Learner in Skill Education Service Short paper of ICServ 2016 (共著)
・工作機械メーカーのグローバル・サービスと中小企業の事業戦略―メンテナンス・サービスを中心に― 社会科学論集 (148),149-172頁 (単著)
・グローカルビジネスマネジメントの研究視点と展望 中小企業によるグローカルビジネスの展開実態とキャリア教育ニーズに関する研究報告書 1-14頁 (単著)

<2015年>

・中小企業,地域産業の実地調査を用いた産業アクティブ・ラーニングに関する一考察 多摩学のアクティブ・ラーニングプログラム開発 (単著)
・中小製造業におけるサービス事業の実態とその役割 日本中小企業学会編『多様化する社会と中小企業の果たす役割』 40-52頁 (単著)
・中小製造業のサービス・イノベーション〜製造業におけるサービス事業の進化と中小製造業におけるサービス事業の実態に関する考察〜 1-166頁 (単著)
・地域における創業活動とソーシャル・キャピタル:ソーシャル・キャピタルの橋渡し機能に関する考察~東京都多摩地域を例に〜 多摩大学経営情報研究 (19),1-16頁 (単著)
・多摩地域の創業実態に関する調査研究報告書 (共著)

<2014年>

・サービス業における移動店舗に関する一考察〜地域金融機関の移動店舗を例に〜 移動流通〜買物難民を支援する新たな流通社会システム〜 (単著)
・戦略的・統合的視点による製造業のサービス事業展開に関する一考察 多摩大学経営情報研究 (18),1-20頁 (単著)

<2011年>

・東京のものづくり産業集積の今後 企業環境研究年報 (16),43-61頁 (単著)
・東京都におけるクリエイティブ産業の集積-理論と政策へのインプリケーション 文化経済学 8(1),9-20頁 (共著)

<2008年>

・ものづくり中小企業におけるイノベーション-イノベーション支援型企業を中心として 経営教育研究 11(1),45-58頁 (単著)

<2004年>

・ビジネスプランコンテストを通じた学生起業家育成についての一考察 ベンチャーズ・レビュー (5),97-104頁 (単著)

<2002年>

・地域工業活性化支援事業報告書(多摩全域) 地域工業活性化支援事業報告書(多摩全域) 1-162頁 (共著)

<2001年>

・情報コンテンツベンチャーの経営戦略に関する一考察 ベンチャーズ・レビュー (2),29-40頁 (共著)
・アウトソーシングビジネスのサービス産業性と事業戦略 商工指導 (466-2),47-70頁 (単著)

<2000年>

アウトソーシングビジネスの事業化条件と経営戦略 商学論叢 (1),35-48頁 (単著)
情報コンテンツビジネスの効果的な消費者対応に関する研究-無作為エリアサンプリングによって得られた消費者データに基づく実証分析- 日本中小企業学会編『新中小企業像の構築』 183-192頁 (共著)

<1999年>

・戦略的アウトソーシングの新たな視角-取引費用と戦略適合性を考慮したアウトソーシング手法の再構築- 商工指導 (465-1),60-81頁 (単著)

<1998年>

・アウトソーシングビジネスの競争環境の特徴と競争戦略 商工指導 (464-2),191-208頁 (単著)