高校時代の自分は、「勝つこと」「結果を出すこと」がすべてだった。バスケットボール部のキャプテンとして、県選抜に選ばれるまで競技に打ち込み、チームを勝たせることこそが自分の役割であり価値だと思っていた。努力や過程は、勝つための手段にすぎず、結果が出なければ意味がない。そんな考え方で、部活も勉強もやっていたと思う。進路についても深く悩んでいたわけではない。将来は家業を継ぐつもりで、大学進学にも強い意志があったわけではなかった。ただ、「大学に行って、いろいろな経験をしてきなさい」という親の言葉に背中を押され、数学利用で明治大学へ進学することになった。
今のゼミを選んだ理由も、決して立派なものではない。先生の人柄に惹かれたこと、そして人気のあるゼミだったこと。加えて、高校時代に地理が好きで、地域産業にもなんとなく興味があった。その程度の理由で飛び込んだのが正直なところだ。
しかし、ゼミ活動を通して考え方は大きく変わった。地域の課題には明確な正解や勝敗はなく、調べ、議論し、試行錯誤する中で、結論に至るまでの過程そのものに価値があることを学んだ。同時に、その過程があるからこそ、最終的に生まれる結果はより深く、説得力のあるものになるのだと気づいた。結果を目指すこと自体は変わらないが、そこに至る道筋を大切にすることで、成果の質は大きく変わる。
もし高校時代の自分に声をかけるなら、「結果を急がなくていい。積み重ねた過程は、結果をより強いものにしてくれる」と伝えたい。
勝敗のない問いに向き合って学んだこと(by りお)
